“商標”情報ニュース

いぶりがっこの名称使用は商標権侵害ではない 特許庁(2016.7.13)

「いぶりがっこ」の商標権を巡る秋田県内の同業者間の争いに特許庁が一定の判断を下した。

結論としては、登録商標である「いぶりがっこ 」(登録第1588021号、以下「本件商標」)の商標権の効力は、「いぶりがっこ」と横書き同一書体で表す標章を使用する行為には及ばない、というものである。

特許庁の判定内容によれば、『「いぶりがっこ」の文字は秋田県の名産品である「木を燃やす煙でいぶして乾かした大根を使うたくあん漬け」として、一般的に使用され、理解されているものであり、普通名称とはいえないとしても、商品の品質を表す語として、需要者に認識される』とあることを理由に効力が及ばないとされた。 

本件は、商標権取得後に識別力が弱まっていき、判定請求時点において「いぶりがっこ」の文字に関して言えば識別力がないと判断された事案であり、比較的識別力の弱い語を商標登録した場合における商標権者の商標管理の重要性を示す例であると思われる。

 ちなみに、上記商標権の効力は「いぶりがっこ」を普通に使用する行為には及ばないが、「いぶりがっこ」の文字を本件商標に類似した外観で使用する行為には、効力が及ぶこととなる。

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