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- 登録後、商標の使用注意点 -
二段書商標について
2015/04/14登録後、商標の使用注意点
<二段書商標とは>
文字からなる商標(文字商標)のうち、一の語と他の語を2段に書してなる商標を俗に「二段書商標」と呼んでいます。
<二段書商標の例>
<二段書商標の必要性>
二段書商標による出願理由はケースによって様々ですが、一般的に振り仮名による二段書商標には積極的な理由があります。それは一の語の称呼を他の語によって特定するということです。
例えば、「Buono!」(イタリア語で「おいしい」の意味。「ボーノ」と読む。)という商標の出願に当たり、事前調査で「ブオノ」という先行商標を発見した場合を考えます。ローマ文字で「Buono!」のまま出願すると、「ブオノ」商標を引用されて拒絶されるかもしれません。そこで、この場合は「Buono!\ボーノ」として出願します。こうすると、「Buono!」の称呼が「ボーノ」に特定されやすくなるので登録される確率が高まります。
<二段書商標の称呼の認定>
商標審査基準によると、次の例が示されています。
(イ) 例えば、「紅梅」のような文字については、「ベニウメ」と振り仮名した場合であっても、なお「コウバイ」の自然の称呼をも生ずるものとする。
(ロ) 例えば、「白梅」における「ハクバイ」及び「シラウメ」のように2以上の自然の称呼を有する文字商標は、その一方を振り仮名として付した場合であっても、他の一方の自然の称呼をも生ずるものとする。
(ハ) 例えば、商標「竜田川」に「タツタガワ」のような自然の称呼を振り仮名として付したときは、「リュウデンセン」のような不自然な称呼は、生じないものとする。
これによると、「振り仮名」から生じる称呼と「振り仮名によって称呼が示された語」から自然に生じる称呼の2つが称呼として認定されることになります。
そうとすれば、上の例にある「白金豚」からは「ハッキンブタ」という称呼が、「初肌」からは「ハツハダ」という称呼が認定されることになります。
しかしながら、「白金豚」については、①「白金豚」の語は馴染みの無い語である点、②そうであれば当該語に振り仮名と認識される態様でカタカナが併記されていれば、その振り仮名によって称呼が認定されたものとみるべきである点から、「プラチナポーク」のみが称呼として認定されております(不服2008-2581)。また、「初肌」については、①振り仮名は、一般に漢字の読みを表す場合に行われている方法といえる点、②「ういはだ」が不自然な読みともいえず、下段の「初肌」の漢字の読み方を特定したものというのが自然である点から、「ウイハダ」のみが称呼として認定されております(異議2008-900212)。
ちなみに、「Milex」については、その構成中の「Mile」の文字部分は、「マイル」の発音をもって、距離の単位を表す語としてよく知られているところから、引用商標中の「Mi」を「マイ」と称呼し、全体として「マイレックス」と称呼されることがあるとされ、「マイレックス」と「ミレックス」の称呼が認定されています(不服2001-7534)。
このような審決例を参考とすると、二段書商標の称呼認定に際しては、「振り仮名によって称呼が示された語」が既存の語であるのか造語であるのか等も考慮されることが分かります
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